今年話題になった言葉を選ぶ「新語・流行語大賞」の候補語が発表され、「召喚酔い」が初めてノミネートされた。新社会人を中心に広く使われるようになったことなどが評価されたという。
「召喚酔い」は本来、バトルゾーンに出たばかりのクリーチャーがそのターン中に相手プレイヤーを攻撃できない状態を指す言葉。
しかし今年春ごろから、入社や異動、転校などで新しい環境に入った直後、十分に仕事や活動ができない状態を「まだ召喚酔いしている」と表現する投稿がSNS上で増加した。
4月には「新入社員なので召喚酔い中」「配属されたばかりなので今日は攻撃できません」などの投稿が相次ぎ、一時「召喚酔い」がSNSのトレンド上位に入った。
東京都内の会社に今年入社した男性会社員(23)は、「最初の1週間は電話も取れず、ずっと召喚酔いだった。2週間目くらいからようやく攻撃できるようになった」と振り返る。
企業側でも用語を取り入れる動きが出ている。
都内のIT企業では今年5月から、新入社員が配属された初日に重要な業務を任せない制度を導入。社内では通称「召喚酔い休暇」と呼ばれている。
同社の人事担当者は「出社自体はしているので休暇ではない。正確には『攻撃できないだけ』です」と説明する。
一方、入社直後から即戦力を求める企業からは困惑の声も上がる。
大阪府内の会社経営者は「うちはスピードアタッカーを採用したつもりだった」と話す。
選考委員会によると、「召喚酔い」は若者だけでなく、転職者や異動した会社員、久しぶりに運動を再開した人などにも使用例が広がっているという。
専門家は「自分が慣れていない状態を責めすぎず、『今は召喚酔いだから仕方ない』と表現できる点が受け入れられたのではないか」と分析する。
なお、召喚酔いは通常、次の自分のターンになると解消される。
厚生労働省は「月曜日になっても召喚酔いが続いている場合については、デュエル・マスターズのルールでは説明できない」としている。
